AIでキーワードリサーチする一般的な手順を実際にやってみた:初心者でも無料でどこまでできるか

ツールレビュー

「AIを使えばキーワードリサーチが速くなる」という話はよく聞く。でも、具体的にどんな手順で、どのくらい実務で使えるレベルなのかは、実際にやってみないと分からない。

  • 「AIが出したキーワード候補、そのまま信じていいの?」という不安がある
  • 有料ツールや有料研修に予算をかけられる段階ではない
  • 「無料でできる」と書かれている記事は多いが、本当にゼロ円で完結するのか疑わしい

この記事では、生成AI(Claude)でキーワード候補を出し、無料ツールで裏取りする、という一般的な手順を実際になぞってみた。結論を先に言うと、AIの候補は「当たる軸」と「外れる軸」がはっきり分かれた。その内訳も含めて、正直に共有する。

1. 今回試す「一般的な手順」

世の中で紹介されているAIキーワードリサーチの型は、大きく2つの話に分かれていることが多い。

  • 「生成AIでキーワード候補を出す」という時短の話
  • 「無料ツールで検索ボリューム・関連語を調べる」という裏取りの話

この2つが別々の記事で語られがちで、両方を通しでやってみた記事はあまり見かけなかった。そこで今回は、生成AI(Claude)で候補を出す→無料ツールで裏取りする、という一連の流れを、実際に自分の手を動かして最後まで確認する。

ちなみに筆者がAIを使う前にやっていたのは、普通にGoogle検索の窓にキーワードを直接打ち込んで、サジェストや検索結果の傾向をざっと見る、というシンプルな方法だった。時々キーワードプランナーも使っていたが、それ以上に体系立てた手順があったわけではない。この”素のやり方”と比べて、AIを挟むとどう変わるのかも、今回合わせて確認したいポイントだった。

2. 実際にやってみた①:生成AI(Claude)でキーワード候補を出す

対象テーマは「生成AI 要約 情報収集」。実際に使ったプロンプトはこちら。

あなたはSEOに詳しいマーケティングアシスタントです。日本語で「生成AI 要約 情報収集」というテーマについて、初心者マーケッターが検索しそうなキーワード候補を、①メインキーワードに近い基本語 ②ロングテール(具体的な悩み・比較・ツール名を含むもの) ③疑問形(〜とは、〜のやり方等)の3グループに分けて、20個ほど挙げてください。それぞれ想定される検索意図も一言で添えてください。

所要時間はほぼ即時。プロンプトを送ってから20個の候補が返ってくるまで、待ち時間はほとんどない。基本語(「生成AI 要約」「AI 要約 ツール」等)、ロングテール(「生成AI 要約 精度 比較」「PDF AI 要約 ツール」等)、疑問形(「生成AI 要約とは」等)の3グループがきれいに揃った。

ここまでは確かに速い。問題は、この候補が実際の検索需要と合っているかどうかだ。

3. 実際にやってみた②:無料ツールで裏取りする

20個の候補から、実務上重要そうな4つ(基本語1つ・ロングテール2つ・疑問形1つ)を選び、無料ツール3つで裏取りした。

  • ラッコキーワード: 入力したキーワードに対して、検索エンジンが実際に候補として表示する関連キーワード(サジェスト)を一覧表示してくれるツール。アカウント登録不要ですぐ使える
  • Google Trends: Googleでの検索の相対的な関心度(人気度)の推移をグラフで確認できる、Googleの公式ツール。こちらもアカウント登録不要ですぐ使える
  • Googleキーワードプランナー: Google広告が提供する、キーワードごとの月間検索ボリューム(概算)や競合性を確認できるツール。利用にはGoogle広告アカウントの作成が必要(無料・クレジットカード登録は不要)。ただし広告を出稿しない場合、検索ボリュームは「10〜100」のような概算範囲でしか表示されない
確認したキーワード ラッコキーワード Google Trends(過去1年) Googleキーワードプランナー
生成AI 要約(基本語) サジェスト多数ヒット(「精度」「無料」「おすすめ」等はAIの候補と方向性が一致) ー(基本語は個別に未確認) 月間平均検索ボリューム10〜100、前年比推移-90%
生成AI 要約 精度 比較(ロングテール) 0件ヒット ほぼ0%で推移
PDF AI 要約 ツール(ロングテール) 2件ヒット(「pdf 要約 ai ツール」「smallpdf ai pdf 要約 ツール」)
生成AI 要約とは(疑問形) 0件ヒット
参考: 生成AI(単体) +300% 月間平均検索ボリューム10万〜100万、前年比推移0%

4. かかった時間と精度のリアルな結果

実際にかかった時間: ストップウォッチで計測したわけではないが、体感の概算は以下の通り。

作業 所要時間(体感の概算)
プロンプト作成・候補生成(Claudeへの指示) 約1分
候補の選定(20個→4個に絞り込み) 約1分
ラッコキーワードで確認(4キーワード) 約4分
Google Trendsで確認(2キーワード) 約2分
Googleキーワードプランナーで確認(2キーワード) 約2分
結果整理 約1分
合計 約11分

半日どころか、10分強で終わった。ただし2点、正直に補足しておきたい。1つは、これは4候補・3ツール分の”つまみ食い”的な検証であり、実務で使うキーワード候補をすべて裏取りするなら、当然もっと時間がかかる。もう1つは、筆者はもともとGoogleキーワードプランナーを含む3ツールの使い方に慣れていたための時間であり、初めて触る人は特にGoogle広告アカウントの作成(初回のみ発生する一手間)分、もう少し時間がかかると見ておいた方がいい。

良かった点: 候補を出すこと自体はほぼ一瞬で終わり、方向性(「精度」「無料」「おすすめ」といった軸)は実際の検索行動ともある程度一致していた。ゼロから自分で考えるより、たたき台としては十分速い。この「候補出し自体は速いが、精度にはばらつきがある」という感覚は、他の人が実際にAIでキーワード調査を試した体験談(note.com、通常30分かかる調査が約20秒に短縮された一方、ニッチなテーマでは有用な候補が返ってこなかったと報告)とも近い。

うまくいかなかった点: 今回確認した4候補のうち、2候補(「精度 比較」「とは」)では明確な検索需要を確認できなかった。「精度 比較」はラッコキーワード・Google Trendsという2つの独立したツールでそろって低調な結果になり、「とは」はラッコキーワードのみで確認した(Google Trendsは未確認)。生成AIは、検索データを参照して候補を出しているわけではなく、言葉として自然な組み合わせを生成しているだけなので、言葉としては自然でも、検索需要を確認できないキーワード候補を生成することがある。今回のように複数の言葉を組み合わせた具体的なロングテールほど、この傾向が出やすいようだった。

なお、今回は手順を試すための小規模な検証(4候補のみ)であり、AIが生成するキーワード全般の精度を評価したものではない。また「0件ヒット」は「検索需要が完全にゼロ」の直接証明ではない。ラッコキーワードのサジェスト機能が候補を返さなかった、という間接的なサインであり、「精度 比較」については2つのツールが同じ方向を示したことで根拠としての確度が上がった、という捉え方が正確だと思う。

もう一つ、正直に書いておきたい点がある。「生成AI 要約」の前年比-90%という数字は、月間ボリューム10〜100という小さい母数の上に成り立っている。絶対数で見ればわずかな増減が、パーセンテージだけ見ると大きく見えている可能性が高く、この数字を鵜呑みにして「急落している」と結論づけるのは早計だ。

「素のやり方」と比べてどうだったか: 筆者は普段、Google検索の窓にキーワードを直接打ち込んでサジェストを眺めるだけ、という簡易的なチェックしかしていなかった。それと比べると、今回の「AIで候補を出す→3つの無料ツールで裏取りする」という往復は、確かに手間は増えるが、思いつきで終わらせず、裏取りまで含めて1セットにできるという点で、素のやり方より一段階しっかりした調べ方になった感覚がある。ただしその分、候補を出すだけの作業と比べると、裏取りの3ツール分だけ時間はかかる。「AIなら一瞬」という触れ込みだけを信じると、この裏取りの手間を見落としてしまう。

見つかった別の発見: PDFの要約に関する候補では、AIが出した「PDF AI 要約 ツール」という語順と、実際のサジェストの語順(「PDF 要約 AI ツール」)が違っていた。しかも実際の検索には「smallpdf」という具体的なサービス名まで絡んでいた。生成AIは一般的な言葉の組み合わせは作れても、個別サービス名までは正確に言い当てられない、ということも分かった。

5. 初心者がやるなら:今日から無料でできる範囲はどこまでか

「無料」と一口に言っても、実際にはツールごとに違う制約がある。

ツール 無料でできること 制約
ラッコキーワード サジェストキーワードの一覧表示 月間検索数・SEO難易度・CPC・競合性は月額660円の有料プランでないと見られない
Google Trends 相対的な関心度の推移確認 アカウント登録は不要。
ただし検索語を入れ直すたびに地域(初期値はUnited States)・期間(初期値は過去24時間)がリセットされるため、毎回設定し直す必要がある
Googleキーワードプランナー キーワード候補・概算の検索ボリューム表示 Google広告アカウントの作成が必要(無料・クレジットカード登録不要)。広告を出稿しない場合、正確な数値ではなく「10〜100」のような概算範囲になる

つまり、費用をかけずに、3つのツールを使って最低限の裏取りまで行うことはできる。ただし各ツールとも無料の範囲は「一部の機能・概算の数値まで」であり、ラッコキーワードの詳細な数値やキーワードプランナーの正確な検索ボリュームは有料/広告出稿が前提になる。「アカウント登録すら不要」なのはラッコキーワードとGoogle Trendsだけで、Googleキーワードプランナーだけは無料とはいえアカウント作成という一手間がある。この違いを知らずに「無料ツールで」とだけ言われると、最初の1歩でつまずきかねない。

6. まとめ

生成AI(Claude)でキーワード候補を出す作業自体は、確かに一瞬で終わる。ただし、それをそのまま使っていいわけではなく、無料ツールでの裏取りを挟んで初めて「使える候補」と「使えない候補」を仕分けできる。今回の小規模な検証(4候補)では、抽象的な軸(精度・無料・おすすめ)はAIの候補とおおむね一致した一方、確認した4候補のうち2候補では明確な検索需要を確認できなかった。

「AIに任せれば一瞬で終わる」でも「AIは信用できないから全部自分でやる」でもなく、AIで候補を出し、無料ツールで裏取りする、という往復こそが、初心者でも今日から無料で真似できる一般的な手順だ、というのが今回の実感だ。言い換えれば、生成AIが作ってくれるのは「検索需要そのもの」ではなく、「これから確かめるべき仮説」なのだと思う。仮説を無料ツールで検証して初めて、実務で使える候補になる。

今後の検証課題: 今回はやっていないが、精度をさらに確かめるなら、①AIが候補ごとに添えた「想定検索意図」が、実際の検索結果(上位記事の傾向)と合っているかの確認、②同じテーマについて「Google検索だけで候補を集める」場合と「AIを使う」場合を同じ時間で比較し、候補数・実在率を数字で比べる、という2つの検証が考えられる。

よくある質問

Q. AIが出したキーワード候補は、そのまま使っていい?
A. おすすめしない。今回の検証では、方向性(「精度」「無料」等の軸)は実際の検索行動とある程度一致していたが、4候補中2候補は無料ツールで裏取りすると検索需要を確認できなかった。AIの候補は「たたき台」、裏取りとセットで使うのが安全だ。

Q. 本当に完全無料でできる?
A. ツールの利用自体に費用はかからない。ただしGoogleキーワードプランナーだけは、利用にGoogle広告アカウントの作成(無料・クレジットカード登録不要)という一手間がある。より詳しい数値(ラッコキーワードの検索数等)を見るには、別途有料プランや広告出稿が必要になる。

Q. どのくらい時間がかかる?
A. 今回(4候補・3ツール)の体感では約11分だった。ただしツールの使い方にすでに慣れている前提の時間であり、初めて使う場合はもう少しかかる可能性がある。

Q. 生成AIならどれを使っても同じ結果になる?
A. 今回はClaudeを使ったが、「検索データを参照せず、自然な言葉の組み合わせを生成することがある」という傾向はLLM全般に共通する性質だと考えられるため、ChatGPTなど他の生成AIを使った場合でも、同様に無料ツールでの裏取りが必要になるとみられる。


本文中のツール実演結果(表・所見)はすべて2026-08-18に筆者が実施した検証によるもの。

使用ツール(公式ページ)

参考にした外部記事

  • 生成AIでのキーワード調査を実際に試した体験談(時短効果・ニッチテーマでの課題): note.com

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