AIのSEO診断、結果を見てどうする? チェック項目からAIに作らせて、指摘を仕分けるところまでやってみた

入門・技術解説

無料の診断ツールに URL を入れれば30秒、生成AI に記事を読ませれば1分で、指摘が数十件並ぶ。AI に SEO 診断をさせるのは、もう誰でもできる。

止まるのはその次だ。**指摘が多いほど「で、どれをやる?」で動けなくなる。**ツールによって点数も違えば、同じ項目の判定も分かれる。紹介記事の多くは「AI の提案は参考として、判断は自分で」と書いてあるが、その「自分で判断する」の中身は書かれていない。

そこで筆者は、自分のサイトの記事1本で最後までやってみた。**チェック項目を考えるところから AI に任せて、出てきた指摘を仕分けて、直すものと直さないものを自分で決めるところまで。**この記事はその記録だ。

使った道具は全部無料で、生成AI はログインなしの無料版。途中で出力が止まるトラブルもそのまま書いた。

先に結果を書いておく。**指摘は14件出て、採用したのは6件、実際に直したのは3件だった。**残りは「直さない」と決めた。この「決めた」というところが、この記事で一番伝えたいことだ。

1. AI で SEO 診断する方法は、大きく2つある

紹介されている方法は2つに分かれる。無料の診断ツールに URL を入れる方法と、生成AI に記事を読ませる方法だ。

1-1. 診断ツール

登録なしで結果まで見られるものを3本使った。

ツール URL 種類
TRILIA SEO診断ツール https://trilia.co.jp/seo-tools/ ルール型(項目ごとに判定)
S-fleage 無料SEO診断ツール https://www.s-fleage.com/seo-shindan AI型
Infinite Company 診断ツール https://infinitecompany.co.jp/diagnosis/ AI型

入れるのは URL だけ。3本とも30秒ほどで結果が出る。点数は TRILIA 91点 / S-fleage 90点 / Infinite Company 68点と分かれた。**採点の対象も配点もツールごとに違うので、点数は比べる数字ではない。**見るのはその下に並ぶ個別の指摘だ。

1-2. 生成AI

生成AI(ChatGPT)には、紹介記事によく出てくるプロンプトを使うのが一般的だ。「この記事の問題点を挙げてください」「SEO の改善点を教えてください」といったもので、筆者が試したときは2つのプロンプトで合計75件の指摘が返ってきた。

量は出る。**ただし、返ってきた75件は自分が見たい形をしていない。**優先順位もない。ここが「で、どれをやる?」の入口だった。

そこで今回は、**プロンプトそのものを AI に作らせるところから始めた。**次の節がその話になる。

なお、記事の渡し方は本文を貼る方法と URL を渡す方法があるが、**URL だけで足りる。**生成AI はページを開いて読み、見出しの階層まで正確に引用してきた。本文を貼る手間はいらない。

2. チェック項目も、チェック用のプロンプトも AI に作らせる

自分が何を見たいのかを先に決めておけば、指摘が何十件出ても仕分けられる。とはいえ、Google の公式ドキュメントを読んでチェック項目を起こす——そんな手間をかける人はいない。

だから、そこも AI にやらせる。

人が書くのは次の1本だけだ。これを送ると、チェック項目と、そのチェックを依頼するためのプロンプトの両方が返ってくる。

#依頼
個人のWordPressブログの記事ページ1本をチェックする項目を10個作り、
そのチェックを依頼するプロンプトも作ってください。

#条件
・目的は、検索から人に来てもらうことと、AI検索に引用されること
・各項目は1行。確かめる場所(ツール名・画面名)も1行に含める
・無料で確認できる方法だけにする
・作るプロンプトは20行以内。記事のURLを1つ入れるだけで使える形にする

#出力
1. チェック項目10個(1行ずつ)
2. プロンプト全文

条件の中で効いているのは2つ。

「確かめる場所も1行に含める」——これを入れると、全項目に画面名と操作が入る。項目がそのまま作業手順になる。

「作るプロンプトは20行以内」——長さの上限を先に決めておく。理由は次の節で書く。

返ってきた10項目がこれだ。

# 何を見るか
1 Google に登録され、検索対象になれる状態か
2 重要ページが意図せずインデックス未登録になっていないか
3 ページタイトルが内容を正確・簡潔に表しているか
4 メタディスクリプションがページごとに適切か
5 本文が読者の目的を満たし、独自の価値があるか
6 画像に内容を説明する alt が設定されているか
7 内部リンクが適切で、重要ページへたどれるか
8 正規URL(canonical)が意図した URL になっているか
9 サイトマップが意図した URL を送信できているか
10 実際の利用環境で速度・安定性に問題がないか

各項目には、根拠にした公式ドキュメントの名前と、確かめる画面(Search Console の URL 検査、投稿編集画面など)が付いてきた。

そして**頼んでいないものまで付いてきた。**指摘を仕分ける3分類だ。

  • 直す: 10項目に該当し、具体的な問題を確認できる
  • 様子を見る: 公式の推奨には関係するが、いま実害を確認できない
  • 保留 / 採用しない: 診断ツール独自の「SEOスコア」や、公式の根拠が無い一律の数値基準

さらに「H1は必ず1個」「文字数は2,000文字以上」「キーワード密度○%」といった指摘が出たら公式の根拠を確かめるよう促し、「検索順位を上げるために○○すべき」という指摘は、このリストとは分けて考えることを勧めてきた。

この時点で、もう手元に物差しがある。作るのにかかった時間は30秒だ。

3. 作ってもらったプロンプトが、途中で止まった

出てきたチェック用プロンプトを、そのまま新しいチャットに貼って実行した。

途中で止まった。

最初は回答が出はじめたが、10項目の途中で切れた。もう一度送ってみると、今度は**返事そのものが返ってこない。**無料版のログインなしで使っているので、そういうこともある。

ここで自分でプロンプトを短く書き直すこともできる。でも、それをやると**次からは「自分が書いたプロンプト」になってしまう。**せっかく AI に作らせたのに、人が手を入れたら何が効いたのか分からなくなる。

**だから、対処も AI に頼んだ。**同じチャットに一言送るだけだ。

作ってもらったプロンプトを実行すると、途中で止まってしまいます。
同じ目的で、最後まで実行できる短いプロンプトに作り直してください。

返ってきたのが、実際に使ったプロンプトだ。

あなたはSEOとAI検索(生成AIによる検索結果・引用)に詳しい編集者です。
以下の記事URLを、無料で確認できる情報だけを使ってチェックしてください。

記事URL:[ここにURLを入力]

次の10項目を、それぞれ「評価:OK / 要改善 / 要確認」の3段階で判定してください。

(1〜10の項目が並ぶ)

各項目について「確認した事実」「問題点」「具体的な改善案」を簡潔に示してください。
確認に使った無料ツール・画面名も各項目に記載してください。
推測で補わず、確認できない場合は「要確認」としてください。
最後に、10項目の中から「検索流入」と「AI検索での引用」の両方に関係する
改善ポイントを、優先順位を付けずに5つ以内でまとめてください。

これは最後まで動いた。

短くなったぶん、最初のプロンプトにあった「根拠にした公式ドキュメントの URL を書く」という条件は落ちている。**短くすると何かが落ちる。**必要なら、通ることを確かめてから足せばいい。

一方で残ったものもある。「推測で補わず、確認できない場合は要確認としてください」——この1行が、後で効いてくる。

そしてもう1つ、AI が自分で足した指示がある。**「最後に改善ポイントを5つ以内でまとめてください」。**10項目の結果をそのまま渡されても人は動けない、と判断したのだろう。

4. チェック結果: OK 7 / 要改善 2 / 要確認 2

URL を1つ入れて送信した。返ってきた判定がこれだ。

# 項目 評価
1 検索意図との一致 OK
2 タイトルの検索適合性 OK
3 見出し構成 OK
4 一次情報・独自情報 OK
5 情報の正確性と根拠 要改善
6 AI検索が引用しやすい回答 OK
7 著者・サイトの信頼性 OK
8 内部リンク 要改善
9 検索結果での表示情報 要確認
10 クロール・インデックス上の問題 要確認

指摘の中身を数えると、全部で14件あった。

内容を読める項目(1〜8)の指摘は、具体的で鋭かった。

たとえば項目5。記事の中心にある数字が、一次情報ではなく二次的なまとめサイト経由になっていると指摘してきた。該当する数字を6つ、名指しで挙げている。さらに「引用される・されないの差は実際のアクセス数に直結している」という一文について、相関データから因果関係まで読める表現になっていると書いてきた。これは後で効く指摘だった。

項目8では、「記事末尾には関連記事へのリンクがあるが、本文中の文脈に沿った内部リンクが少ない」。実際に数えたら本文中の内部リンクは0本で、末尾のリンクはテーマが自動で出しているものだった。

一方、項目9と10は「要確認」で返ってきた。

理由も書いてある。実際の検索結果の表示、<title> と H1 が一致しているか、メタディスクリプションの設定、canonical の実値、robots の設定、サイトマップへの掲載——**「この環境からは確認できない」。**robots.txt と sitemap.xml も取得できなかったという。

ここで、3節の「推測で補わず、確認できない場合は要確認としてください」が効いている。この1行がなければ、AI は一般論で埋めていたかもしれない。

そして次が、この記事で一番の発見になる。

AI が「OK」を出した7項目より、「要確認」とした2項目のほうに、実際の問題があった。

5. 「要確認」を自分で開く(5分)

AI が確認できなかったのは、ページの <head> の中と、Search Console の中だ。どちらも人なら見られる。

<head> のほうは、ブラウザだけで見られる。

  1. 記事のページを開く
  2. Ctrl+U(Mac は Command+Option+U)でソースを表示
  3. Ctrl+F で canonical と打つ

これだけだ。筆者の場合、同じタグが2つ出てきた。

同じ要領で description を検索すると、**こちらも2本。しかも書いてある文章が違う。**1本は自分で書いた説明文、もう1本は本文の冒頭が自動で切り出されたものだった。どちらが検索結果に出るかは、自分では選べていない状態になっていた。

ついでに <title> と、ページ上の見出し(H1)も見比べた。文言が違っていた。

画像の alt(画像の内容を文字で説明する属性)も数えた。7枚中4枚が空。ただし、**空だった4枚は本文の画像ではなかった。**記事の下に並ぶ「関連記事カード」のサムネイルで、これはテーマが自動で出している部分だ。本文の画像3枚には、すべて説明文が付いていた。

AI が「取得できなかった」と書いた robots.txt と sitemap.xml も開いてみた。**どちらも普通に見られた。**中身にも問題はなく、サイトマップには記事がちゃんと載っていた。

つまり、AI の「確認できなかった」は「問題がある」でも「壊れている」でもない。まだ誰も見ていない、というだけだった。

かかった時間は5分。見つかったのは4件。

そして、ここから先が本題になる。

6. 直すものと、直さないものを決める

指摘は全部で14件、自分で見つけたものが4件。18件を前に、全部やろうとすると止まる。

筆者はこう決めた。採用したのは6件、実際に直したのは3件。

直したもの: 本文の中身に関する指摘

① 数字の出典を原典まで遡った

「中心にある数字が二次的なまとめサイト経由になっている」という指摘に従って、6つの数字を1つずつ原典に当たった。3か所で事実が違っていた。

  • **「ゼロクリック率83%」という数字が、引用元とされていた調査報告書のどこにもなかった。**原典の数字は約60%(別のサイトに遷移せずに終わる検索の割合)。まとめサイトを経由する間に変わったものらしい
  • 「クリック数34.5%減」は2025年4月の調査だった。記事には2026年と書いていた。しかも調査元は2026年に再調査していて、減少幅はさらに大きくなっている
  • **「引用されたブランドはクリック+120%」には、続きがあった。**同じ報告に「引用されても、AI Overview が出ない検索と比べれば-38%」と書いてある。記事は都合よく前半だけを使っていた

**1本の記事の中に、他人の数字を写して意味が変わっていた箇所が3つあった。**指摘されなければ、ずっと気づかなかった。

② 相関と因果を分けた

「引用の差は実際のアクセス数に直結している」と書いていた一文を、**「一緒に動いている、というところまでが確かなこと」**に書き直した。引用されたから増えたのか、もともと強いブランドだから引用もクリックもされるのか、そのデータからは区別できない。

③ 本文中に内部リンクを3本足した

数えてみたら、本文中の内部リンクは0本だった。読者が次に読みたくなる場所に3本置いた。

直さなかったもの: 自分で見つけた4件

<head> で見つけた4件は、全部そのままにした。

見つけたもの 直さなかった理由
canonical が2本 2本とも同じ正しい URL を指しており、検索エンジンも正しく解釈していることを確認済み
ディスクリプションが2本 どちらが出ても内容は間違っていない
<title> と H1 の文言違い どちらも記事の内容を表している
画像の alt 欠落4枚 本文の画像ではなく、テーマが出す関連記事カード。読者が読む部分には影響しない

放置して損をするものが、1つもなかった。

なお、canonical とディスクリプションの二重出力は、この判断の後日、サイト全体の設定を見直したときにまとめて直した。急いで直す必要がなかっただけで、直せるなら直したほうがいいものではある。

ここが大事なところだと思う。開いたのは直すためではなく、**「直さない」と決めるためだった。**見ていなければ、ずっと気になったままか、逆に問題があることにも気づかないままだ。見たから決められた。

「様子を見る」に回したもの

「テーマ別のハブページを作る」という指摘は、記事がまだ5本しかないので保留にした。記事が増えてから効いてくる話だ。

7. まとめ: AI は見る場所を出す。決めるのは自分

一通りやって、はっきりしたことが3つある。

① チェック項目も、チェック用のプロンプトも、AI が作れる

人が書いたのは最初の1本だけだった。公式ドキュメントを読んで項目を起こす作業も、指示文を組み立てる作業もいらない。30秒で物差しが手に入る。

② 「確認できなかった」と書かせる1行が効く

「推測で補わず、確認できない場合は要確認としてください」。この1行を入れておくと、AI は分からないことを分からないと言い、代わりにどこを見ればいいかを書いてくる。それがそのまま人の作業リストになる。

逆にこの1行がないと、AI は一般論で埋める。埋まった文章は、読むと確かめた結果のように見えてしまう。

③ 人の仕事は、AI が見られない場所を開くこと

AI が見られるのは本文までだった。ページの <head> の中と、Search Console の中は渡っていない。そこを開くのに5分。**AI の判定を採点し直す必要はなかった。**本文についての指摘は的確で、しかも筆者が数か月気づかなかった間違いを見つけてくれた。

そして最後に、数字の話をもう一度だけ。

**この記事で一番効いたのは、「出典を原典まで遡れ」という指摘だった。**従ってみたら、自分の記事の中で3か所、他人の数字が意味を変えて写されていた。1つは原典に存在すらしない数字だった。

AI は「出典が二次情報だ」と指摘しただけで、どの数字が間違っているかまでは教えてくれない。**原典を開いて突き合わせるのは人の作業だ。**でも、開く場所を教えてもらえたから、30分で終わった。

よくある質問

Q. 無料で全部できますか

できた。生成AI はログインなしの無料版、診断ツールも Search Console も PageSpeed Insights も無料の範囲で完了した。

Q. 記事の全文を貼らないとだめですか

URL を渡すだけでいい。生成AI はページを開いて読み、見出しの階層まで正確に引用してきた。ただしページの <head> までは渡らないので、そこは自分で開く。

Q. 出力が途中で止まったら

AI に「途中で止まるので、最後まで実行できる短いプロンプトに作り直してください」と頼めばいい。自分で書き直すより、そのほうが手が止まらない。短くすると条件が落ちることがあるので、通ってから足す。

Q. 指摘は全部直さないといけませんか

筆者は18件のうち3件しか直していない。開くのは直すためではなく、直さないと決めるためでもある。

Q. 有料版のほうがいいですか

有料版のほうが詳しい。指摘の件数も多く、無料版が触れなかった記事内の参照ミスも見つけた。ただし今回の手順は無料版で最後まで通った。まず無料版で始めて、もっと詳しく見たくなったら上げればいい。

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